08/03 バレエの巨匠たち

2016/8/3 19:00~ 東京文化会館 バレエの巨匠たち 4列目中央寄り

ルジマトフは私がバレエを見るようになったきっかけをつくった人です。
2007年だったかな?新国立かなんかであったガラ・コンサートにではじめてバレエというものを見て、それが「ルジマトフのすべて」とかだったんですよね。確か、彼がフラメンコに傾倒してた時で、フランメンコダンサーと一緒にボレロ、ユリア・マハリナと牧神の午後、あとソロで阿修羅だったかな?よく覚えてるなー、自分。なんというか上半身と腕の動きにやられましたね。
それから忘れられないダンサーでして、公演を見つけるとついつい見に行ってしまいますね。もういい歳でいらっしゃるので、いつ引退されるのか結構びくびくものです。
でもさすがにもう座長公演はなくなっていて、今回もマトヴィエンコが座長で、ルジマトフは特別出演という形だったようです。
後でわかったのですが、今回はメインの3組は夫婦での出演だったのですね。びっくりしたー。

では、思ったことをつらつらと。

てか!演目の感想の前に、これは声を大にして言いたいんだけど、東京文化会館の3-4列目中央は微妙!もしかしたら2列目もかも。
結構東京文化会館には通っているんですが、今回ほど前の席ってなかなかなかったんですよ。
4列目だったから、うわーい!ちかーい!とルンルンで行ったのですが、これが。。。東京文化会館は4列目までほぼフラットで、そこから階段で登って行くのですね。
しかも、座席が前に完全にかぶるように配置されているので、3-4列目中央は前の人の頭でステージ中央がほぼ見えない、という体験をしました。
それで、3列目の方もとても見にくかったようで、公演中、頭が右に左に動く動く。動きが大きくて、こっちのポジションどりとかもちろんお構いなしなので、すごく視界が悪かったです。。。
バレエとかの時は2-4列目の中央は避けた方が良いですよ!
むしろあれだと後方の20列目とかのほうが良かったんじゃないかとさえ思えました。。。

やっと演目の感想です。

「ジゼル」第二幕より
アルブレヒト:デニス・マトヴィエンコ、ジゼル:アナスタシア・マトヴィエンコ、ヒラリオン:ミキタ・スホルコフ、ミルタ:カテリーナ・カザチェンコ
最初のヴィリさんたちのアラベスクが美しいですよねー。でも2-3人ふらふらしていなかった?とちょっともやもや。
ガラコンサートでコールドが見れると得した気分なので結構楽しみにしている。
あと、なんといってもこの手の衣装が好き。女性の足さばきによって翻るチュールスカートの空気感って得も言われぬ優雅さがあります。空気をはらんだゆったりとした落ち感と幾重にも重ねられたスカートの醸し出す透け感が独特ですよね。
それが人数そろって行われるとまた圧巻。白いバレエの好きなところです。
なんというか・・・主役の二人は特に印象に残らず。なんでだろ?ヒラリオンのほうが良かったな。

「タンゴ」より デニス・マトヴィエンコ、アナスタシア・マトヴィエンコ
こっちのほうが好きだな。激しい表現のほうがあってる気がする。伝わるものがある。

「シェヘラザード」よりアダージョ
ファルフ・ルジマトフ、エレーナ・フィリピエワ
ルジマトフの十八番ですね。フィリピエワのゾベイアはなんか、健康的すぎない?と思った。太陽属性というか。でもあれは、退廃的な宮殿が背景にあるので、マハリナとか、ぺレンもまあ、って感じだったけど月属性の人たち向けのようなー。ルジマトフが圧倒的に闇!陰属性!の方ではあるんだけど、二つがぶつかって、爆発!というわけではなく打ち消しあってしまったような?
あと音楽がはやくって動きをゆっくり堪能できなかった気がするのが不満です!
しかし、改めて五十路とは思えない良い身体してらっしゃいますね、ルジマトフさん。エロいですね。

「ゴパック」
ヴィタリー・ネトルネンコ
シェヘラザートのことをつらつらと考えていましたら、やってきましたゴパック。これ良かった!
若者しか持ちえない溌剌とした空気、テクニックでシェヘラザードの退廃的空気感をばっさり切り替えてくれました。
若いって素晴らしいですね。

スパルタクス」よりパ・ド・ドゥ
イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ
イリーナ、ちょっと大丈夫!?っていうくらいガリガリに見えました。本当に骨と皮ってかんじ。あれは綺麗に見えるっていうより不安になるよー。
スパルタクスは時々ボリジョイでかけられてるのは知ってたけど、見たとこはなかったのです。本当にアクロバティックなパ・ド・ドゥなんですね、あれ。現代的っていうか、なるほど、ボリジョイっぽいなー、ていう納得。お二人は夫婦なんですね。流石の安定感で、不安的さのかけらもみえず、難易度の高いリフトを次々と決めていってました。もしや、このためにぺレンは体重をしぼったのかな?男性側もかなり大変でしょうし。

「Escape~終わりなき旅~」
デニス・マトヴィエンコ、ファルフ・ルジマトフ
脱出しても旅は終わらないのですか、そうですか。題名からして逃げてから旅を始める前向きなかんじかしら?と思っていまいましたがなんか違った。。。
逃げても逃げてもついてくる影(ルジマトフ)のようなイメージ。で、本人もその影から全力で逃げたい!ってわけではなく、逃げようかどうしようか迷ってる感じ。
その迷いこそがが終わらない旅なのかも。
しかし、ルジマトフはそんなに大きいわけではないのだな、とマトヴィエンコと並んだことで認識。どちらとも良い身体しているんですけどね。やはり根本的に何か違うよな。
マトヴィエンコは陽の雰囲気なんですが、なんだかこのコンビはマッチしてた。
舞台中にまかれたビニールを使うんですが、ふわっとしていて私の好きなチュールスカート感があります。けれど抑えられないカサカサとした音で現実に引き戻されます。
縦横無尽にビニール使うのは何気にすごいな、と思ったり。コントロール難しそうじゃないですか?

「赤と黒」よりパ・ド・ドゥ
これ、どのシーンなんだ・・・?
赤と黒の小説のあらすじは読んだものの、さっぱりわからん。銃を持って怒ってるぽいから最後あたりに夫人と再開するようなシーンがあるんだろうか。
でもベッドがあるし、人妻宅で、警戒もされているでしょうに、ここまで侵入するとはなかなかの執念ですね。
ここのペアも夫婦だった模様。
なんか椿姫ぽいな。このあたりからちょっと疲れてきました。。

「ボヴァリー夫人」より
イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ
ほとんどおぼえていません。ていうか寝落ちしました。ごめんよ。

トゥオネラの白鳥
ファルフ・ルジマトフ
急遽追加された演目。ルジマトフの体調が良かったのか?なんだか得した気分。
しかし、最近トゥオネラの白鳥をよく聞くようになった気がします。流行りなのか?私が知らなかっただけ?
全体として、暗く、ゆったりとした踊り。死の河を泳ぐ白鳥ですものね。ポージングの連続でジャンプなどはほとんどないのですが、上半身、背中から腕にかけての動きが絶品です。別格のオーラがあるんですよね。特に腕が関節を感じさせない滑らかさ。派手さはないのですが、はっとさせられる表現力でした。こういうこの人にしか表現できない、他と違った何かというのはテクニックとは別次元ですごいな、と思います。リピーターやファンがつくためには必須の物なのではないでしょうか。
衣装が黒のハーレムパンツに上がシースルー気味の不思議な布でとりあえず色気が増幅されてますね。
あと、ルジマトフの目回りのメイクがすごく濃かったのはこの演目にあわせたのか?とちょっと思いました。

「海賊」よりパ・ド・ドゥ
デニス・マトヴィエンコ、アナスタシア・マトヴィエンコ
デニスのアリは溌剌としていますね。すごく良かったと思います。何より似合ってた。
でも、ヴァリアシオンはすごくよかったんですが、アダージョがやっぱりしっくりこない!デニスさんは私生活と仕事はわけたほうがいいんじゃないかな?
アダージョでベストパフォーマンスに見えないのは痛いと思うよ。私の好みなだけ?
なんていうか、アナスタシアさんはふつうにお上手だと思うのですが、端的に言うとつまらないのか?とにかくスタイルがデニスとはあわない気がするのと、技量に差があるのか?
デニスは最後の男性ヴァリアシオンの跳躍とかすごく技巧的で会場からおもわずどよめきがあがっていたのですが、すごく頑張っていたのも奥さんのためなのかな、と思うと何とも言えないのですが。
なんかもう気に食わない!ってなってしまったからかもしれませんが、チュチュを着た状態でのお辞儀がなんだかすごくぎこちないように見えました。。。

「フィナーレ」
華やかで良い。ルジマトフの周りだけ明らかに空気が違って笑う。特別出演なのだろうけど、あんなに気を遣わなくてよいんですかねww。草生えるくらい空気読んでなかった。

ガラコンサートは華やかで良いですね。最近はそこそこセットも組んでくれるようになったし。

しかし、しばらくぶりにバレエに行ったのですが、チラシを見ると有名どころの公演はまたチケット値上がりしてるのですね。消費税分なのかもしれませんが、26,000円もだせませんわ。
それでも売れるのでしょうけどチケット代分の公演になってるのでしょうかね。