双蝶々曲輪日記 国立劇場

2014/10/15 国立劇場 通し狂言双蝶々曲輪日記 丁度仕事が休みになったのでなんか観に行こうと思って調べたところ歌舞伎が真っ盛り。歌舞伎座勘三郎追善、演舞場が猿之助奮闘、国立劇場高麗屋親子、どれも見応えのある感じでしたが私、歌舞伎に関しては初心者も良いところ。どうしようか迷った末一番コスパ良くチケットを入手できた国立劇場にしてみました。

あと私、染五郎が結構好きなんですよね。一回菊之助との二人椀久を拝見したことがあるんですが、舞踊が上手だなーと素人ながらに思ったんですよね。手先が綺麗だった印象です。ただ、私は十分楽しんだのだけどその幕間で年配のお客が小粒と嘆いていたのを覚えています。伝統の後継も大変ですねー。

深く考えずチケットをとったものの、今までの経験から予習なしの本番は辛いのはわかっていたのであらすじを軽くチェック。…したものの江戸の人情てもう現代とはかけ離れているような。はっきり言って何故そこでそうなる!という展開…。ジャニ舞台も突っ込みどころ満載と評判ですが歌舞伎も負けてないと思いますよー。

てなわけで行ってきました。半蔵門の周りはあんまり興味ないので銀座でランチをして腹ごなしで皇居周りをぐるっと歩いて到着。官公庁の見物もできてなかなか楽しい散歩でした。気温も丁度良いかんじ。国立劇場は始めてだったのですが、まず客層が歌舞伎座とは違いますね。歌舞伎座は話題になったこともあり興味本位の観光客や若い人もかなりいるんですが、そういう方を余り見かけず、全体的に平均年齢が高い。まぁ、平日だってことも大きかったと思います。新橋演舞場に似た感じかな?多分熱量としては一番落ち着いて感じました。歌舞伎観に来てやったぜ!という人じゃなく日常から割りと観てます系?しかも広いので空気もゆったりのんびり。トイレとか売店とか食事処、果てはベンチまでほぼ争奪戦がなく、人混み行列嫌いな私にとってはかなりポイント高かったです。
しかも国立劇場のチケットが本当に安い。歌舞伎にはそこまで入れあげてないので私が歌舞伎チケットに出す金額は精々5000円位ですね。で、この金額だと歌舞伎座も演舞場もほとんど3階席しか無理。歌舞伎座に至っては3階脇になります。でも国立劇場ではこの金額で1階の脇に座れるんです!正面でも後ろなら7000円くらいだったかな?3階席に至っては1500円。やっぱこのくらいじゃないと一般人は行っても人生で一回くらいになるのでは。この価格帯なら気になったレベルで再訪を気楽に考えられます。実は歌舞伎で1階席って始めてでした。脇なので態勢がちょっと斜めになりますし、一部演出は観にくいんですが、丁度花道横だったので花道通る役者さんは良く見えて良かったです。1階に座ってみてはじめて3階は死角が多いことがわかりました。客入りは1階で7割行ってるかな?くらい。平日ですしね。

さて、肝心の内容ですが、通し狂言+事前予習+イヤホンガイドの助けを借りて初心者頑張りました!やっぱり通しなのでストーリーはわかりやすかったです。ただ、そこは初心者なので印象に残ったことだけを。

染五郎が3役早変わりで、特に1幕はいつ変わった!?ってくらい早変わりに見えてびっくりしました。
○私は3役の中で南方十次兵衛が一番良かった。テレビの固い時代劇ぽい
○放駒は濡髪との対比で本当軽い感じ。軽すぎないか?
○与五郎はぼんぼん感がよく伝わった。
○踊ってる染五郎もみたい。宙乗りはちょっと片鱗が見えて嬉しかった。
幸四郎の濡髪が本当に威厳を感じさせる。絶対前髪のある若者じゃない
染五郎幸四郎が親子とは思えないくらい芸風が違ってみえた。
○30〜50分毎に休憩毎にあったので覚悟していたほど辛くはなかったがやっぱり4時間半は最後のほう疲れてストーリーが右から左へ…
○私に世話物はまだ早いのか好みではないのか。あまり共感はできず。
○一幕の宙乗りが楽しかった。ああいうわかりやすく楽しい演出がもう少しでいいからあると初心者は助かるかも。
○結構良いもの見た気がする。
○通しはわかりやすいがなんというか、演出が平面?だから最後まで集中力もたせるのが大変。
○イヤホンガイドはガイドの人によって着目点が変わった解説になるのか?興味深い。衣装の説明を丁寧にしてくれる人がいて楽しかった。
○四幕のお早の衣装が綺麗だった!細かな模様で波模様になってる。流石元傾城。
○三味線も拍子木もやっぱりプロの人の音は良い。考えてみれば歌舞伎は殆ど生演奏だ。贅沢。

みたいなかんじでした。まだまだあると思いますが私はもういっぱいいっぱいです…。あのお値段でこれならばかなりお買い得感がありました。ただ、一言でいうと歌舞伎はやっぱり難しい!と思います。継続で見ないと凄さも味もわからない気がする。例えばバレエとかミュージカルって感動がわかりやすいと思うんです。だから初見後、また見たい!って感じる人がある程度発生してないですかね?一方、歌舞伎で感動するためにはある程度の下地が観る者に求められる。或いは日本人の感動の下地に深く関係する価値観を欧米のそれに取って代わられているのかもしれない。伝統芸能の行く末はやっぱり結構茨の道であると感じました。
とりあえず私はゆるーく観劇を続けるつもりなので、いつかわかるようになればいいなー