ベジャール第九交響曲

11/8 ベジャール振付・演出 ズービン・メーター指揮イスラエルフィルハーモニー管弦楽団 第九交響曲

年末といえば第九のコンサートが滅法多くなる時期ですが私はコンサートには全く行かないので第九も通しで聞いた記憶はありません。ただ、第九がオーケストラとバレエ混合で行なわれるということで行ってきました。はじめはいくつもりはなかったです。何しろチケット代がオペラ並にお高い。S席は驚きの39000円!一番お安い席でも8000円位だったかな?ところが、流石に売行きが悪かったようで直前になって安いチケットが出始めました。なんと30歳以下なら6000円のものが発売されたため飛び付いてみました。

ただ、不満があるのは会場がNHKホールだということ。妥協点としてここになったのでしょうがNHKホールは音響が悪いことで有名です。せっかくのオーケストラが…。まぁそんなに音が分かるわけではないのですがね。そして実はNHKホールは初めての参加。私は割と観劇は箱重視なので、東京文化会館とかでやってるものを見に行くスタンスですね。てなわけで今回は仕事終わりでぎりぎり時間に間に合うかってところだったんですが人身事故による微妙な電車の遅れもあって原宿に到着したのが開演10分前。駅から全力ダッシュしました。そしたら10分位開演が遅れていてそこまで急がなくても間に合ったという…。良かった良かった。今回はB席相当の席ということで2階後列の右端も右端でしたが、思っていたより圧迫感もなく、バレエを見るにはまぁ充分でしたし、椅子の角度が割とちゃんとしているので特に疲れることもなかったです。時間が1時間半ということもあったと思いますが。

 

今回のコンサートの出演は東京バレエ団とベジャールバレエ団及びイスラエルフィルの皆さん。

正直バレエに造詣が深いわけでもなんでもないため感じたことを箇条書きスタイルで。

 

・まずジルのニーチェの朗読から始まったのですが、舞台上にオケではないドラムとかがいて驚く。

・ドラムどうするんだろうと思っていたらジルの退場の暗転とともに素早く去って行きました。ですよねー。

・第一楽章からそれぞれ地、火、水、風らしいが衣装の色は黄土、赤、白、黄色。風が黄色って何故!?五行思想的だともっとテンションあがったかな。

・第一楽章は群舞によるフォーメーションが見所で魅力。申し訳ないのですがソリストはあまり印象に残らず。

・第二楽章が始まった瞬間、男性ソリストに釘付け。上手さが違う。空気が一新された感。思わずお名前をチェック(大貫さん)。

・ただ悲しいかな。お相手の女性が向こうの方なので左右対称で脚を上げると脚の長さが如実に…日本人悲しい。あと、向こうの方と並ぶと日本人が草食動物ぽいのが強調されますよね。体の厚みが違う。

・第二楽章は群舞も面白いけど第一楽章に比べて個人技が多くなる印象。火と言われて納得出来ます。

・第三楽章は、前二楽章に比べて明らかに静かでゆったりとした振り付け。細心の注意を払い続けなければ実現できないのではないのでしょうか。

・最初は二人だったけどどんどん増えていくのが静かな水面からの変化の表現?

・群舞中心だった前二楽章と異なりパドドゥ中心の構成。

・第四楽章は圧巻。男性ソリスト四人の導入がこれぞベジャール!という印象。男性舞踊の身体能力の高さは見ていて気持ち良いです。

・そしてフィナーレにむけてわかりやすくあがっていくボルテージが、楽器、合唱と最大人数でのダンスの三方から押し寄せてきます。

・ただここでNHKホールは音が来ないことが鮮明に感じられ、地団駄を踏むことに…。ああ勿体無いー!わざわざオケを舞台に出すほどなんだからやっぱりもっと音響考えるべきだったかと…。特に最後が勿体無さすぎて!

・第九を満喫しきった深い満足感。素人にも音楽の可視化を確かに感じ取れさせるのが凄い。オケやダンサーの力もあるが、やはり1番大きな役割を果たしているのは総合演出。

・やはりベジャールは天才だったのだなぁ…

・どのパートでも振付にベジャールの形が散見。特徴ってわかるものですね〜

・クラシック色強めで(個人的に)よかった!楽しめた。正直モダンが強いと眠くなる確率が…。

・カーテンコールがかなり続いてメータさんとか合唱のソリストも最後の方は舞台に下りてこられてダンサーと一緒に応えてたんですが、もの慣れない感じが見えて笑いました。

・てかちょっと一緒に歩いただけでダンサーと明らかに動きが違うのがわかるので、ダンサーの方の鍛練はこんなところでもでるものなのだなぁという感慨を覚えました。

 

以上!やっぱり高いだけはある舞台でした。行って良かった!

 

そして何となくチラシをみて、マラーホフが東京バレエアトバイザー就任していたことを把握し、驚きました。東京バレエってあんまり色気を感じないので、マラーホフとはかなりスタイル違う気がするんですが、そこの補強を狙ってるんでしょうか。あうのかなー?マラーホフのカラボスは見たいですが時期が仕事が立て込んている時期だからどうしようかなー。こうしてどんどんお金が飛んでいく。・゜・(ノД`)・゜・。