ボリジョイバレエ ドン・キホーテ

12/6 18:30  ボリジョイバレエ団 プティパ 版ドン・キホーテ D席5階2列

 

バレエを見るのが好きなんですが、来日公演の相場がすごく値上がりしている気がします。前はS席でも2万を超えることはそうなかったと思いますが、最近は軒並み2万超え。しかも、だからといって良いものが見られるとは限らず、割合当たり外れがあることが多いというのが私の所感です。なので最近は安い席を狙うことが多くなりました。東京文化会館の5階は高さがありますが、正面であれば舞台全てが俯瞰でき(オーケストラピット含む)、音も良く聞こえるので中々おすすめです。それでも6000円はしますけどね…。日本の芸術関係者は自ら間口を狭くして自分の首を締めてやしないかと思います。

 

さて、今回のボリジョイのドン・キホーテはチケットの売れ行きからはそこまで期待されていたわけではないようでしたが、個人的に大満足でした。S席で見たかったかも、とおもえるレベルでした。

まず、バジルのミハイルが良かった。とってもチャーミングで、悪く言えばチャラいんですが、やっぱりドン・キホーテは一種のお祭と思っているので、彼の弾けた明るさがとてもマッチしていました。あと何よりスタイルが良い!やっぱり何だかんだ見た目重要ですよ。脚が凄くながくて、膝下がとても柔らかく見えました。時々荒く感じましたが、それもまたバジルの若さの一部に見えましたね。リフトもスムーズで危なげがなくて○。ただ、パドドゥの時はバジルばっかり見てたんですが、ソロはそんなに技巧的というわけではなく、あっさりした感じだったかな。むしろソロはキトリの技巧が見応えがあって良かったと感じました。

次に、脇の皆さんですね。というか、むしろこっちが良かったから、かなり満足したのかも。全幕ものだと主役より脇が出ている時間が長いので、ここのできが舞台を左右するな、とつくづく感じました。まぁ、ボリジョイはドンキを踊り慣れているというのが大きいのかもしれません。少なくとも日本公演では必ず演っている気がします。出色だったのがジプシーの踊りでしたが、全体的にあくの強いスパニッシュ系の踊りが上手かったと思います。正統派の白鳥とかだと日本人もそこまで差を感じないのですが、こういうちょっと外したものは差がよくわかります。また、ボリジョイは男性舞踊手の群舞に存在感があって思わず目を奪われます。全体として、客を舞台に巻き込んでやろうという力?心意気?が見えたのが嬉しかったですね。更に、脇の衣装がまた凝っていて良かった!スパニッシュの女性用衣装はスカートのボリュームがたっっぷりでしたし、手を抜かれがちな男性の衣装も闘牛士の衣装を始め、ちゃんと作られているようでした。やっぱりお金かけているかどうかって割とはっきりわかっちゃうんですよね。

最後にオーケストラ。多分ボリジョイから来てたと思いますが、華やかでよくバレエ団ともあっていましたし、5階はやっぱり音が良く聴こえる気がしますね。ただ、結婚式のバリエーションは音楽自体が重く感じるので、どこのバレエ団のを見てもなんか合わせ難そうだなーと、感じてしまうのですが。

難を言うとドン・キホーテの夢の中はだれてしまったかな、と。まぁここの場面はだれるのがデフォルトな気もします。なので概ね満足!

 

実はドン・キホーテは2014年3月にもパリオペでも見に行ったんですが、これがかなりフラストレーションの溜まる代物でして…。あの時は椿姫がメインでしたし、途中でバジルの負傷があって代役投入でしたし、パリオペはあまりクラシックに力を入れていないということを考えても酷かったかと。衣装もセットも脇も主役も無難ではあったんですが、本当にひとっっっつもはっとさせられるものがなかったです。ヌレエフ版は脚にくるという話ですが、最後は傍目にも明らかにスタミナ切れがわかってしまうような有様の人も居り…、出来ないならするな!という。更に言うと、この舞台にS席25000円払ってたらマジぶちきれてたレベルで日本の観客が割とスタオベしてて…私の観る目がないのか、これだからこの程度の舞台のチケットのお値段があんな有様になっているのか、真剣に考えましたね…日本人はバレエ公演にやたらカーテンコールし過ぎだと思いますよ。出来の悪いのにははっきりとした意思表示も必要かと。

 

閑話。

ここでも東京バレエ50周年のチラシが入ってたんですが、日本人にはとても似合わない仕様の背景になっていて、けれどマラーホフのカラボスだけ背景にしっくり馴染む感じでして…。やはりマラーホフは合わないんじゃないかと思ったり。マラーホフのカラボスは大変素晴らしい仕上がりぽかったですけど。

あと、ミハイロフスキーが久々に来日ですね。ルジマトフ監修の海賊を観に行きたいのですがスケジュールがどうなるか…。