マシューボーンの白鳥の湖

前回の公演も見に行った記憶がありますがあれは何年前だ？とにかくその時が初見だったのですが、衝撃的でしたね。とにかくものすごく怖かったのを覚えています。だけど好みだ！とも思ったので再演は絶対見に行こうと思ってました。

てなわけで行ってきました。

なんか今回の公演はチケットの売れ行きがあんまりだったんですかね。当日引き換えの安いチケットが割と出てたのでそれで行ってきました。マシューボーンは全体演出が見たいので別に前の席とかにこだわりはない。

で、東急シアターオーブに久しぶり、というか2回目の訪問となったのです。東急シアターオーブは新しくて良いのですがアクセスが微妙だと思うのですよ。大体専用エスカレーターで昇ってそっから更に2階分くらいエレベーターで上がるんですね。更に1階席でさえ1階ホワイエからもう半階階段を昇らなければなりません。公演時間ギリギリとかの時は絶望です。

チケット引き換えをしなければいけなかったんですが到着は開演15分前。引き換え列は結構長くて開演に間に合うか一瞬不安になりましたが無事チケット入手。もっと余裕もって行動しようぜ私。

席は2階だったものの中央付近だったので全く問題なし。

しかし気になったのは2階後部、A席の埋まらなさ。勿体ないなー。本日のスワンはマルセロだというのに。

以下、本当に独断と偏見です。悪しからず。

マシューボーン版は王子の物語であるといわれていまして、まさしくそのとおりなんだけど、王子とスワンという側面と王子と女王という側面のふたつがあるんだろうな。

女王は威厳のある女王であり魅力的な女性でもあるんですが暖かい母親にはなれない人という印象です。王子が死ぬまでとうとう王子が求める手に応えることはなかった。そもそも王子があんな風になってしまったのは求めても与えられなかった母親にあるのではないかと。それはそうと1幕で王子が女王を求めるシーンは近親相姦めいていてどんだけだよ！って気分になりますが。

2幕のスワンとの出会いは圧巻でした。男性があれだけの人数で群舞をすることはそうそうないんじゃないかな。ほとばしる野生ですね。ただこのシーンは素直にみるとガチホモにしか見えません。これは野生の白鳥という自然の荒々しい美しさなのよー、と自分に言い聞かせながら鑑賞。個人的にスワンにはそんなに性別を感じない(ストレンジャー比)ため割合平静に見れました。休憩に入った瞬間後ろの席の方が『かなりホモだね！』と仰っていたのは、まぁそういうことですよね。一般にはそうにしか見えませんわ。

ところでちょっと気になったのが男性の群舞。大変ダイナミックなのですが群舞というには揃っていないところが多々あったような。一部結構振り遅れになってたり指先が疎かな方もいらっしゃったように見えました。男性は女性に比べて群舞が大人数なことがないですし、ダイナミックさの表現としてあれは仕方がないのでしょうか…

3幕はストレンジャーのエロさと夢の中のあまりにもあんまりな絡みが見所でした。かなり倒錯的なため直視するのに大変気合いがいりました。見てはいけないものを見ている感が凄まじかったです。以上！でもストレンジャーが何なのかわからないのがもやもやするんだよな。何のために出てきたんだろう。あと3幕で思ったのは女性が皆セクシーで人生を楽しんでるなー、てことです。古典の女性は清楚系が多いけどこれはこれで時代にあっていてスカっとします。

最終章はとにかく怖い。白鳥の湖の音楽ってこんなに不安感を煽るものだったっけ？！曲の印象は演出で左右することができるのねー。ここの群舞は2章より良かったと思いました。白鳥に食べられる王子。怖いよ…。クライマックスは本当に圧巻で知らず知らずに息を詰めていました。やっぱり好みだわ。マシューボーン版。

しかしこれをよく考えて、しかも公演までこぎつけられたな。本当にホモに見えるからね！野生を男性が表現してるだけで別にスワンは男じゃないって言われてもやはり人間はビジュアルから入ってしまうことが多いわけで。詳しくは知りませんがあちらではキリスト教の関係上こういうのは難しそう。

さてさて、カーテンコールです。王子とスワンがハグしてまして、やはり見てはいけないものを見ている感半端なかったです。良いできだったのか会場は指笛と歓声が鳴り止みませんでした。正直、指笛鳴らしすぎでは、ってくらいうるさかったです。素晴らしい公演だったのは認めます。

マシューボーン版は振り付けとか演出とか脚本が私の好みすぎてダンサーが多少悪くても素晴らしく見えてしまうかも。そんなにバレエに詳しくないのに何言ってるんだ、って感じですが。

B席が5000円以下だったらもう一回見に行くんどけどなー。バレエチケットは高いです。また来てくれるのを待ちます。とりあえず今日はお腹いっぱい、大満足でした。

余談。バレエにも出待ちってあるのですね。帰りに見かけてちょっとびっくりしました。