ボリジョイバレエ ドン・キホーテ

12/6 18:30  ボリジョイバレエ団 プティパ 版ドン・キホーテ D席5階2列

 

バレエを見るのが好きなんですが、来日公演の相場がすごく値上がりしている気がします。前はS席でも2万を超えることはそうなかったと思いますが、最近は軒並み2万超え。しかも、だからといって良いものが見られるとは限らず、割合当たり外れがあることが多いというのが私の所感です。なので最近は安い席を狙うことが多くなりました。東京文化会館の5階は高さがありますが、正面であれば舞台全てが俯瞰でき(オーケストラピット含む)、音も良く聞こえるので中々おすすめです。それでも6000円はしますけどね…。日本の芸術関係者は自ら間口を狭くして自分の首を締めてやしないかと思います。

 

さて、今回のボリジョイのドン・キホーテはチケットの売れ行きからはそこまで期待されていたわけではないようでしたが、個人的に大満足でした。S席で見たかったかも、とおもえるレベルでした。

まず、バジルのミハイルが良かった。とってもチャーミングで、悪く言えばチャラいんですが、やっぱりドン・キホーテは一種のお祭と思っているので、彼の弾けた明るさがとてもマッチしていました。あと何よりスタイルが良い!やっぱり何だかんだ見た目重要ですよ。脚が凄くながくて、膝下がとても柔らかく見えました。時々荒く感じましたが、それもまたバジルの若さの一部に見えましたね。リフトもスムーズで危なげがなくて○。ただ、パドドゥの時はバジルばっかり見てたんですが、ソロはそんなに技巧的というわけではなく、あっさりした感じだったかな。むしろソロはキトリの技巧が見応えがあって良かったと感じました。

次に、脇の皆さんですね。というか、むしろこっちが良かったから、かなり満足したのかも。全幕ものだと主役より脇が出ている時間が長いので、ここのできが舞台を左右するな、とつくづく感じました。まぁ、ボリジョイはドンキを踊り慣れているというのが大きいのかもしれません。少なくとも日本公演では必ず演っている気がします。出色だったのがジプシーの踊りでしたが、全体的にあくの強いスパニッシュ系の踊りが上手かったと思います。正統派の白鳥とかだと日本人もそこまで差を感じないのですが、こういうちょっと外したものは差がよくわかります。また、ボリジョイは男性舞踊手の群舞に存在感があって思わず目を奪われます。全体として、客を舞台に巻き込んでやろうという力?心意気?が見えたのが嬉しかったですね。更に、脇の衣装がまた凝っていて良かった!スパニッシュの女性用衣装はスカートのボリュームがたっっぷりでしたし、手を抜かれがちな男性の衣装も闘牛士の衣装を始め、ちゃんと作られているようでした。やっぱりお金かけているかどうかって割とはっきりわかっちゃうんですよね。

最後にオーケストラ。多分ボリジョイから来てたと思いますが、華やかでよくバレエ団ともあっていましたし、5階はやっぱり音が良く聴こえる気がしますね。ただ、結婚式のバリエーションは音楽自体が重く感じるので、どこのバレエ団のを見てもなんか合わせ難そうだなーと、感じてしまうのですが。

難を言うとドン・キホーテの夢の中はだれてしまったかな、と。まぁここの場面はだれるのがデフォルトな気もします。なので概ね満足!

 

実はドン・キホーテは2014年3月にもパリオペでも見に行ったんですが、これがかなりフラストレーションの溜まる代物でして…。あの時は椿姫がメインでしたし、途中でバジルの負傷があって代役投入でしたし、パリオペはあまりクラシックに力を入れていないということを考えても酷かったかと。衣装もセットも脇も主役も無難ではあったんですが、本当にひとっっっつもはっとさせられるものがなかったです。ヌレエフ版は脚にくるという話ですが、最後は傍目にも明らかにスタミナ切れがわかってしまうような有様の人も居り…、出来ないならするな!という。更に言うと、この舞台にS席25000円払ってたらマジぶちきれてたレベルで日本の観客が割とスタオベしてて…私の観る目がないのか、これだからこの程度の舞台のチケットのお値段があんな有様になっているのか、真剣に考えましたね…日本人はバレエ公演にやたらカーテンコールし過ぎだと思いますよ。出来の悪いのにははっきりとした意思表示も必要かと。

 

閑話。

ここでも東京バレエ50周年のチラシが入ってたんですが、日本人にはとても似合わない仕様の背景になっていて、けれどマラーホフのカラボスだけ背景にしっくり馴染む感じでして…。やはりマラーホフは合わないんじゃないかと思ったり。マラーホフのカラボスは大変素晴らしい仕上がりぽかったですけど。

あと、ミハイロフスキーが久々に来日ですね。ルジマトフ監修の海賊を観に行きたいのですがスケジュールがどうなるか…。

ベジャール第九交響曲

11/8 ベジャール振付・演出 ズービン・メーター指揮イスラエルフィルハーモニー管弦楽団 第九交響曲

年末といえば第九のコンサートが滅法多くなる時期ですが私はコンサートには全く行かないので第九も通しで聞いた記憶はありません。ただ、第九がオーケストラとバレエ混合で行なわれるということで行ってきました。はじめはいくつもりはなかったです。何しろチケット代がオペラ並にお高い。S席は驚きの39000円!一番お安い席でも8000円位だったかな?ところが、流石に売行きが悪かったようで直前になって安いチケットが出始めました。なんと30歳以下なら6000円のものが発売されたため飛び付いてみました。

ただ、不満があるのは会場がNHKホールだということ。妥協点としてここになったのでしょうがNHKホールは音響が悪いことで有名です。せっかくのオーケストラが…。まぁそんなに音が分かるわけではないのですがね。そして実はNHKホールは初めての参加。私は割と観劇は箱重視なので、東京文化会館とかでやってるものを見に行くスタンスですね。てなわけで今回は仕事終わりでぎりぎり時間に間に合うかってところだったんですが人身事故による微妙な電車の遅れもあって原宿に到着したのが開演10分前。駅から全力ダッシュしました。そしたら10分位開演が遅れていてそこまで急がなくても間に合ったという…。良かった良かった。今回はB席相当の席ということで2階後列の右端も右端でしたが、思っていたより圧迫感もなく、バレエを見るにはまぁ充分でしたし、椅子の角度が割とちゃんとしているので特に疲れることもなかったです。時間が1時間半ということもあったと思いますが。

 

今回のコンサートの出演は東京バレエ団とベジャールバレエ団及びイスラエルフィルの皆さん。

正直バレエに造詣が深いわけでもなんでもないため感じたことを箇条書きスタイルで。

 

・まずジルのニーチェの朗読から始まったのですが、舞台上にオケではないドラムとかがいて驚く。

・ドラムどうするんだろうと思っていたらジルの退場の暗転とともに素早く去って行きました。ですよねー。

・第一楽章からそれぞれ地、火、水、風らしいが衣装の色は黄土、赤、白、黄色。風が黄色って何故!?五行思想的だともっとテンションあがったかな。

・第一楽章は群舞によるフォーメーションが見所で魅力。申し訳ないのですがソリストはあまり印象に残らず。

・第二楽章が始まった瞬間、男性ソリストに釘付け。上手さが違う。空気が一新された感。思わずお名前をチェック(大貫さん)。

・ただ悲しいかな。お相手の女性が向こうの方なので左右対称で脚を上げると脚の長さが如実に…日本人悲しい。あと、向こうの方と並ぶと日本人が草食動物ぽいのが強調されますよね。体の厚みが違う。

・第二楽章は群舞も面白いけど第一楽章に比べて個人技が多くなる印象。火と言われて納得出来ます。

・第三楽章は、前二楽章に比べて明らかに静かでゆったりとした振り付け。細心の注意を払い続けなければ実現できないのではないのでしょうか。

・最初は二人だったけどどんどん増えていくのが静かな水面からの変化の表現?

・群舞中心だった前二楽章と異なりパドドゥ中心の構成。

・第四楽章は圧巻。男性ソリスト四人の導入がこれぞベジャール!という印象。男性舞踊の身体能力の高さは見ていて気持ち良いです。

・そしてフィナーレにむけてわかりやすくあがっていくボルテージが、楽器、合唱と最大人数でのダンスの三方から押し寄せてきます。

・ただここでNHKホールは音が来ないことが鮮明に感じられ、地団駄を踏むことに…。ああ勿体無いー!わざわざオケを舞台に出すほどなんだからやっぱりもっと音響考えるべきだったかと…。特に最後が勿体無さすぎて!

・第九を満喫しきった深い満足感。素人にも音楽の可視化を確かに感じ取れさせるのが凄い。オケやダンサーの力もあるが、やはり1番大きな役割を果たしているのは総合演出。

・やはりベジャールは天才だったのだなぁ…

・どのパートでも振付にベジャールの形が散見。特徴ってわかるものですね〜

・クラシック色強めで(個人的に)よかった!楽しめた。正直モダンが強いと眠くなる確率が…。

・カーテンコールがかなり続いてメータさんとか合唱のソリストも最後の方は舞台に下りてこられてダンサーと一緒に応えてたんですが、もの慣れない感じが見えて笑いました。

・てかちょっと一緒に歩いただけでダンサーと明らかに動きが違うのがわかるので、ダンサーの方の鍛練はこんなところでもでるものなのだなぁという感慨を覚えました。

 

以上!やっぱり高いだけはある舞台でした。行って良かった!

 

そして何となくチラシをみて、マラーホフが東京バレエアトバイザー就任していたことを把握し、驚きました。東京バレエってあんまり色気を感じないので、マラーホフとはかなりスタイル違う気がするんですが、そこの補強を狙ってるんでしょうか。あうのかなー?マラーホフのカラボスは見たいですが時期が仕事が立て込んている時期だからどうしようかなー。こうしてどんどんお金が飛んでいく。・゜・(ノД`)・゜・。

2014年KAT-TUN LIVETOUR comeHere

大分経ってしまいました…感想を書いていたのがミスで全部ぱぁになってやる気が出ず…。とりあえず今振り絞れる気力で可能なだけ書き留めておこう。決してレポではなく、単なる雑感です。


参戦公演

7/26 1部 横浜アリーナ アリーナA

7/27 2部 横浜アリーナ センターF

9/27 2部 代々木体育館 スタンド2階


席の良さが満足度に比例した公演でした。まぁ全てのパフォーミングアートに言えることですが。ただジャニーズはどの席もお値段一律なのでぐぎぎぎぎってなります。あと私はとにかく遠くても正面から見たい人なので、今回ステージ正面でみたければアリーナ席がとれなきゃね、って会場にしか参加できなかったのもあります。因みに2013年カウコンはド天井席でしたが、ほぼ正面でみることができたこと、かつ機構が大きかったのでかなり満足して帰ってきました。むしろフェニックスとかの時、上から全体を観れて勝利したと思ってますから。ただ天井席は周りが盛り上がりにくいという欠点はあるんですけどね。


今回のコンサートは他でも散々言われていますが、メインステージでどれだけのものを見せることができるか、への大きな挑戦のシーズンでした。私はその心意気はすごく買います。彼らが所謂ジャニーズのコンサートの型からの脱却を彼ら独自の方向で図ろうといていることがひしひしと感じられました。ただ、その試みにはやっぱり失敗…というか、どうしても既存ファンに受け入れられない部分やまだ詰めが甘い部分(横からの観賞だと効果2割減に感じた…とか)も往々にしてあったと思います。でもそれは生みの苦しみとして仕方がない部分がある。KAT-TUNKAT-TUNというブランドイメージを確立しているためにそのブランドをコンサートで見せつけることが求められている、と考えています。はっきり言って既存ファンはそれを見せて貰いさえすれば満足感を得られる部分があります。しかし、求められるものだけの提供に終わり、立ち止まってしまった時、全てのパフォーミングアートはそこから下にしか行き先はありません。また、挑戦し続けることが彼らを輝かせ続ける、と信じています。


今回のコンサートはコンサートに舞台のスパイスを少し加えたように感じました。全体を通して曲の世界観の表現で映像と光を使った演出はよく考えられていたと思いますし(特にhideandseekやfacetoface)、ストンプからのbreakurcageへ至る古いブロードウェイ感も良かった。KAT-TUNの楽曲はその歴史もあって、物語を感じてしまうものが多いのでいっそ完全にストーリー仕立てでコンサートするのも面白そうです。多分KAT-TUNのこれからのターゲット層は既にアイドルを好きな人ではないと感じました。彼らは年齢をそこそこ重ねていますし、良くも悪くも彼らはアイドルらしからぬアイドルです。担降と呼ばれるファン獲得はそんなに期待できない。KAT-TUNが獲得のターゲットとすべきは他業界のパフォーミングアートファンやアニメファンなどである気がします。そのためのアピール方法や自己プロデュースを磨いていってくれないかなぁ…とファンは勝手に妄想しています。


で、どさくさに紛れて言っちゃうと、今一番自己プロデュースの見直しが必要なのは私的には亀梨君(ファンの身勝手な主張であることは重々承知なのですが…)!彼が一番輝く見せ方は今、彼が行なっている方法とは違うところにあると思っています。コンサートでもTV雑誌でも。多分彼については色々複雑な事情があると思います。ざっと思いつくことをあげると

○自己プロデュースよりグループの立て直しに力を割いている

○グループメンバーへのファンの分散化のためあえて目立たないように、他メンバーのサポートにまわっている

○そもそもパブリックイメージと自分の望んでいる路線が違う…

とかとか…。

でも個人の人気は引いてはグループの人気!もし亀梨君がもっとKAT-TUNを大きくしたいと考えているなら亀梨君ももっと大きくならなければならないはずです。そのために必要な戦略とターゲットを是非もう一度振り返ってみてくれないかなー。(ファンは勝手なものということでご容赦をf^_^;)


改めて読み直すと気持ち悪いですが折角書いたので上げてしまいました(ーー;)

双蝶々曲輪日記 国立劇場

2014/10/15 国立劇場 通し狂言双蝶々曲輪日記 丁度仕事が休みになったのでなんか観に行こうと思って調べたところ歌舞伎が真っ盛り。歌舞伎座勘三郎追善、演舞場が猿之助奮闘、国立劇場高麗屋親子、どれも見応えのある感じでしたが私、歌舞伎に関しては初心者も良いところ。どうしようか迷った末一番コスパ良くチケットを入手できた国立劇場にしてみました。

あと私、染五郎が結構好きなんですよね。一回菊之助との二人椀久を拝見したことがあるんですが、舞踊が上手だなーと素人ながらに思ったんですよね。手先が綺麗だった印象です。ただ、私は十分楽しんだのだけどその幕間で年配のお客が小粒と嘆いていたのを覚えています。伝統の後継も大変ですねー。

深く考えずチケットをとったものの、今までの経験から予習なしの本番は辛いのはわかっていたのであらすじを軽くチェック。…したものの江戸の人情てもう現代とはかけ離れているような。はっきり言って何故そこでそうなる!という展開…。ジャニ舞台も突っ込みどころ満載と評判ですが歌舞伎も負けてないと思いますよー。

てなわけで行ってきました。半蔵門の周りはあんまり興味ないので銀座でランチをして腹ごなしで皇居周りをぐるっと歩いて到着。官公庁の見物もできてなかなか楽しい散歩でした。気温も丁度良いかんじ。国立劇場は始めてだったのですが、まず客層が歌舞伎座とは違いますね。歌舞伎座は話題になったこともあり興味本位の観光客や若い人もかなりいるんですが、そういう方を余り見かけず、全体的に平均年齢が高い。まぁ、平日だってことも大きかったと思います。新橋演舞場に似た感じかな?多分熱量としては一番落ち着いて感じました。歌舞伎観に来てやったぜ!という人じゃなく日常から割りと観てます系?しかも広いので空気もゆったりのんびり。トイレとか売店とか食事処、果てはベンチまでほぼ争奪戦がなく、人混み行列嫌いな私にとってはかなりポイント高かったです。
しかも国立劇場のチケットが本当に安い。歌舞伎にはそこまで入れあげてないので私が歌舞伎チケットに出す金額は精々5000円位ですね。で、この金額だと歌舞伎座も演舞場もほとんど3階席しか無理。歌舞伎座に至っては3階脇になります。でも国立劇場ではこの金額で1階の脇に座れるんです!正面でも後ろなら7000円くらいだったかな?3階席に至っては1500円。やっぱこのくらいじゃないと一般人は行っても人生で一回くらいになるのでは。この価格帯なら気になったレベルで再訪を気楽に考えられます。実は歌舞伎で1階席って始めてでした。脇なので態勢がちょっと斜めになりますし、一部演出は観にくいんですが、丁度花道横だったので花道通る役者さんは良く見えて良かったです。1階に座ってみてはじめて3階は死角が多いことがわかりました。客入りは1階で7割行ってるかな?くらい。平日ですしね。

さて、肝心の内容ですが、通し狂言+事前予習+イヤホンガイドの助けを借りて初心者頑張りました!やっぱり通しなのでストーリーはわかりやすかったです。ただ、そこは初心者なので印象に残ったことだけを。

染五郎が3役早変わりで、特に1幕はいつ変わった!?ってくらい早変わりに見えてびっくりしました。
○私は3役の中で南方十次兵衛が一番良かった。テレビの固い時代劇ぽい
○放駒は濡髪との対比で本当軽い感じ。軽すぎないか?
○与五郎はぼんぼん感がよく伝わった。
○踊ってる染五郎もみたい。宙乗りはちょっと片鱗が見えて嬉しかった。
幸四郎の濡髪が本当に威厳を感じさせる。絶対前髪のある若者じゃない
染五郎幸四郎が親子とは思えないくらい芸風が違ってみえた。
○30〜50分毎に休憩毎にあったので覚悟していたほど辛くはなかったがやっぱり4時間半は最後のほう疲れてストーリーが右から左へ…
○私に世話物はまだ早いのか好みではないのか。あまり共感はできず。
○一幕の宙乗りが楽しかった。ああいうわかりやすく楽しい演出がもう少しでいいからあると初心者は助かるかも。
○結構良いもの見た気がする。
○通しはわかりやすいがなんというか、演出が平面?だから最後まで集中力もたせるのが大変。
○イヤホンガイドはガイドの人によって着目点が変わった解説になるのか?興味深い。衣装の説明を丁寧にしてくれる人がいて楽しかった。
○四幕のお早の衣装が綺麗だった!細かな模様で波模様になってる。流石元傾城。
○三味線も拍子木もやっぱりプロの人の音は良い。考えてみれば歌舞伎は殆ど生演奏だ。贅沢。

みたいなかんじでした。まだまだあると思いますが私はもういっぱいいっぱいです…。あのお値段でこれならばかなりお買い得感がありました。ただ、一言でいうと歌舞伎はやっぱり難しい!と思います。継続で見ないと凄さも味もわからない気がする。例えばバレエとかミュージカルって感動がわかりやすいと思うんです。だから初見後、また見たい!って感じる人がある程度発生してないですかね?一方、歌舞伎で感動するためにはある程度の下地が観る者に求められる。或いは日本人の感動の下地に深く関係する価値観を欧米のそれに取って代わられているのかもしれない。伝統芸能の行く末はやっぱり結構茨の道であると感じました。
とりあえず私はゆるーく観劇を続けるつもりなので、いつかわかるようになればいいなー

業界チケット事情

KAT-TUNの今年のツアーが終わりました!

とっても楽しかったんだけど、ツアーに入る前のチケット調達が一大イベントというか、大分不快指数高いよなーと感じるのですが、これってアイドルに顕著な問題なのかしらと思います。ので他業界からアイドル業界に入ってきたもののカルチャーショックを書きとめておきます。多分ジャニ特有なこともあるんだろうな。


私は舞台関係(劇団四季とか歌舞伎とか招聘バレエとか主にミーハーなやつです)は割合見に行っていたのですが、これらのチケットは比較的簡単に手に入ります。ぴあとかあるいは主催者サイトでネット購入できますし、最近は事前の席指定もかなり普及しています。但し有料会員、あるいはファンクラブという区分があり、それらの人々は先行予約という恩恵があります。ですから人気の演目、役者の場合は良い席を確保することは難しいのですが、それでも席を選ばなければ割合どうとでもなる印象です。更に、都合がつかなくなった方からお譲りいただくような形ですと思いがけず良い席で観劇できたり、定価より少々お安くしていただけることもあります。また、チケット代金については席区分で分かれているのが普通でした。最前列は10000円、最後列が3000円とかですね。こんな感じの前提でアイドルのチケット業務に立ち向かったわけです。


驚いたこと 多分ジャニ特有

1.チケットは事前振込制&手数料の存在

これは理解し難かったですし今も納得しきれないですね。普通チケットは申込んで、チケットの入手が確定してから振込でいました。しかし、ジャニはまず希望公演を書いて振込を行うんです。しかもチケット代金プラス事務手数料(500円)のお支払いです。そこから抽選です。勿論抽選後落選しても事務手数料は帰ってきません。さらに落選後振込したお金は郵便局の返金用紙になって帰ってくるため平日に郵便局に行けなければ返金も中々難しいのです。ジャニのチケットははっきり言って争奪戦なので、今のところ私の勝率は5割程度です。申し込み数毎に一振込が必要なため、絶対見に行きたければ何公演も申し込み、手数料を徴収されざるを得ません…。ファンクラブ代金を払ってもこれです。納得が難しいですよね〜。


2.抽選確認は地道な電話

1.のように申し込んだ後ですが、いつ抽選結果がでるか…申し込んだ時点ではわかりません。また、事務所がアナウンスすることもないです。抽選結果は確認の専用ダイアルがあり、いつでもかけることができます。抽選中の場合はその旨教えてくれ、抽選が終わっていたら結果を教えてくれます。ただ、こちらから電話をかけない限り向こうからはチケットや返金用紙が送られてくる以外ノーリアクションです。

また、抽選結果がわかるようになると皆が一斉に確認作業にはいるため全く回線が繋がらなくなります。多分20回くらいで繋がってもラッキーではないかと。翌日とかに確認すれば多分空いているんですがその後のチケット業務にも関わるので皆さん早めの確認を心掛けておられるようです。また、抽選結果確認番号は全ジャニ一緒なので運が悪いと他グループの抽選が開始されてまた繋がらなくなるとかもあるようです。とにかく疲れます。聞けば嵐とかは最新システム導入しているようですが、大部分はこんな感じのようです。


驚いたこと アイドルとか人気公演特有と思われること

1.チケット交換

普通、私は自分が見に行く分だけのチケットを申し込んでいました。でもよーく見てると実際は皆さん公演数も枚数も余分に申し込みをしてしているのがわかりました。これには様々な理由があり、正直表だっては言えない理由もあるようです。ただ、メインの理由はやはり落選率の高さにあるのではないでしょうか。例えば自分一人だけの参加でA、B公演しか行く気がなくてもA、B、Cの3公演に2枚ずつ申し込むとかよくある話です。何故なら申し込みしたどの公演かが当選すれば余りの一枚を交換にだし、落選した公演も見ることができるからです。落選率の高さとチケットの保険掛けによって必ず大量のチケット交換需要が発生するわけです。

しかし、この交換が呆然とさせられるわけです。私はジャニチケット以外でネットを介した譲渡、交換は結構経験のあるほうでした。一般チケットの場合皆さん取引始めから本アドを使用し、電話番号の交換もすぐに行うことが多いです。また、一旦成立した取引について、どんなに日にちがなくても双方ドタキャンや音信不通になったことはありませんでした。そんな前提でジャニのチケット交換に参入してみたのですが…。まず皆さんほとんどサブアドしか使わない。譲ってくれといいつつ席が希望でなければ問答無用で音信不通。また、交換成立後でも他に好条件が見つかればこれまた音信不通。私は幸い未経験ですが、公演前のドタキャンも洒落にならないくらいあるようです。これもかなりストレスマックスです。


2.席がどこでも席料は同じ

これもよくよく考えると?ですね。キャパが2000席位の劇場でも歌舞伎とかバレエには上述のような値差があります。しかし、ドームのような5万のキャパのある会場で、ステージ前の最前列でもパフォーマンスが米粒位しか見れない天井席でもチケット代金は同じです。もう完全に運でしかない。私はチケット運がないのでほとんど天井ですねー。それはそれで結構楽しめますが、もうちょい前で見てみたいですね。


こう考えるとジャニのコンサートは日程も会場も席も自分ではほぼ選ぶことはできないですね。とれたチケットに自分の都合をどれだけあわせられるか。本当にチケット業務はストレス溜まる気が…。しかしそんないらん負荷を自ら負いこんでもコンサートに行きたいというこの熱量。つくづくアイドルは宗教だな!と思います。

銀英伝 キルヒ贔屓

学生だったころ田中芳樹さんよく読んだんですよねー。はじめはクランプの絵に惹かれて創竜伝でした。アルスラーンとかも読んだんですが、このひと未完作多すぎじゃないですか?

銀河英雄伝説は初期作品できっちり完結させた数少ない作品ということらしいですが、イマイチ乗り切れなくて3巻頭くらいから放置していました。この度思い立って再読したので感じたことを残しておこうかと。

 

まず文体が…最近ライトノベルか実用書くらいしか読んでいなかったので、思いがけずガチガチに感じてしまい、慣れるのに時間がかかりました。あと密度がすごいので一冊読了するのに時間と気力が必要でした。定期的にちゃんとした本読まないと駄目ですね。読んでいる時頭の中で錆つきかけた歯車が動いている感じでした。余談ですが私は読書は断然紙派。あと中途半端な平仮名表記に断固反対派です。使わないと本当に忘れられていくからね。そもそも熟語の前だけ平仮名とかまじ理解に苦しみますよ。

 

さて、私にとっての以前の銀英が3巻頭で終わってしまった理由。それは言わずもがな、キルヒアイスの死です。もう大部前なのにあのシーンだけは号泣した記憶とともに鮮烈に覚えています。そして今回、行末を知っていても号泣から逃れることはできませんでした。キルヒアイス…うぅっ…。今回こんな文を書きたくなったのも全てはキルヒアイスのためです。

正直キルヒアイスの死んだ後のラインハルトが苦手なんです(でもそれ以上にヤンは苦手。よって帝国派)。ラインハルトが満たされることがなくなってしまったから帝国側に余裕が感じられない。征服者のはずなのに常に追い立てられている感と飢餓感が付き纏っています。私はラインハルトに幸せになって欲しかったんだと思います。でも宇宙を手に入れ、美しい妻と子供を得ても彼が幸せだったとはどうしても思えないのです。

2巻終わりで亀裂が走ってしまっていたのでキルヒアイスが生きていれば全てがうまくいっていたとは思いませんが…。しかし、私にはラインハルトの皇帝病が片翼を失った末の自家中毒にしか見えませんでした。

 

あと関係ないんですが、多分今の時代って、ラインハルトみたいな人のこと厨ニ病って呼びますよね。なんかそれって改革の芽を潰してる感があります。改革には現状の打破が必要ですが、現状からはみ出がちな人を我々は何故こんなにも嫌ったり区別しようとするのか。これが、ムラ根性というものなら大分根が深い問題と思いますね。現代日本の閉塞感は余裕を許さない空気にもあると考えますが。

KAT-TUNゴト

9/17の少年倶楽部プレミアムに沸き立ったのでつらつら覚え書き。

 

そもそも私、社会人になっても芸能関係にほんとーに疎くて。文字読みで実写化とか毛嫌いしてる人種でした。なので当時大ブレイクしていた嵐さえ一人も識別できてませんでした。ただ、妹が嵐にハマりしまして、嵐の出演番組を強制的に見せられていました。あれは一種の洗脳だったと思いますが、辛うじて嵐メンバーの顔が識別できるようになってきたあの日、私は嵐が出演するということでMステスペシャルライブを見たんですね。で、そこに出演していたKAT-TUNに一目惚れしました。KAT-TUNに一目惚れというか、その時のチェンユアのパフォーマンスに心を鷲掴みにされたわけですが。その時はまだ戻れると思っていたんです。

 

なんとなくKAT-TUNの他のパフォーマンスを見たくなって漁っていた時、私は亀梨君の1582に出会ってしまいました。本当に美しいと思って、次いで演出にびっくりしました。その後、離愛とか溺愛ロジックとか鑑賞してしまい、私は沼に落ちて行ったのです。自分でもびっくりでしたよ!でも倒錯世界とか闇世界とか大好きなんですよ!あと、今の時代なかなかお目にかかれない感じの牙が最高です。私、世間一般でイタイとか厨二とか言われてるものに結構惹かれてしまうんですよね。ある意味亀梨君から入ったわけですが、いつの間にか各メンバーの魅力に気づくに至り、KAT-TUN全体を応援するようになりました。

今の時代安心できるものが求められる傾向が強く、だからアイドルにも親しみやすさだとかクラスにいるような、とかアイドルらしからぬトーク力とかを求められる時代です。だけどそういうのばかりでは詰まらないですし、求められている型に皆がはまっていかざるを得ない環境なんていうものは本当に息苦しいです。だから型から外れたものに惹かれてしまうのかもしれません。そもそも私もいい年ですので、アイドルと自分、なんて2次元的関わりしかできないと割りきっています。ならば理想であってほしい、どこまでも格好良く、見ている全てのシーンが美しくあって欲しい。KAT-TUNはそういうグループと思ってます。お顔とスタイルがほんっと二次元!(スタイルは1人ほにゃららかもしれませんがwww)あとKAT-TUNが纏うKAT-TUNらしさ、夜だとか魔界だとかホスト的な空気が溜まりませんね(このKAT-TUNがもつアイドルらしからぬ雰囲気が醸すアンビバレンスが彼らの大きな魅力と捉えているのですが、それは後述)。

 

さて、暑苦しく語ってしまいましたが、要はこないだの少プレが私の好みにドンピシャすぎて高まった!という話をしたいのです。

 

今回のプレミアムショーはデビュー前の音源化されていない曲でのパフォーマンスで、もう見ることはできないのではないか、と思っていたファンもいたのではないでしょうか(カウコンでやってくれたけれど満足できる尺ではないんだよ!)。もちろん私はリアルタイムで見たことはないですが、時代って素晴らしいですね。どれもこれも輝かしいパフォーマンスだったので新しいファンは、なんであの時ファンではなかったのか、悔やみまくりましたよ。それを!またやってくれるなんて!NHKさんありがとうございます。ありがとうございます。

昔のパフォーマンスはよくも悪くもぎっらぎらで野心に溢れた子達が自分をこれでもか!とアピールしていました。かつセックスアピール的なものが凄かったですね。それはそれで大変魅力的だったのですが、今回のパフォーマンスは年月を重ねたからこその深みがありました。何より田口君と中丸君の色気が段違い!よだれがでるかと思いました。この二人は単体だとそこまで強い色気を感じないんですが、KAT-TUNとしてパフォーマンスするときには普段から想像がつかないほどの禁欲的な色気を感じます。DESTINYの中丸君の「こいよ」に全く違和感なかったですから。あとルシエルのBメロが世界観創ってて良かったです。ツキノミチは皆お歌がお上手でしたしこれはセットが素晴らしかった!NHKさんありがとうございます。ありがとうございます。最後の青天の霹靂はなんといっても亀梨君の「二回目のキスは〜」に大注目。約10年前は大変挑発的に、若さ故の傲慢が良くでた仕上がりでした。対して今回は歌詞自体はさらりと歌われたのですが、歌い終わりに伏せた目が…。あからさまな態度は大人だから抑える、けれど、わかっているけれど抑えられないなにか、を感じさせるものでぞくぞくしました。余白の美に近いかもしれません(贔屓目贔屓目)。私は亀梨君の細部の処理が好きです。とにかく全てのパフォーマンスが成長を感じさせるものでした。

 

ということでパフォーマンスにも大満足でしたが、今回セットと映像も素晴らしかったんです。基本がシャンデリアと金網とかまじKAT-TUNのことわかってる。映像も昔のパフォーマンスが大変効果的に挿入され、それ以外の視覚効果も、例えばDESTINYの背景とかは、揺らめく炎がKAT-TUNの刹那感を良く表現していました。また、特に良かったのがツキノミチの月の背景。月って本当にKAT-TUNだと思うんです。夜空で一番に輝いていて、妖しいほどに美しいけれども決して太陽のようには輝けない。ライトで明るく照らされるより月影を背後にしたシルエットが似合う。アイドルという完全に光の中の存在がもつその不完全さ、あるいはアンビバレンスに私は惹かれてやまないのだろうと、改めて思いました。

 

ただ、KAT-TUNはある意味、今の時代に求められていないスタイルを貫いているといえます。その分、なかなか報われないなー、と悔しく感じることも多いですね。でもこうやって感情移入しちゃいはじめるといよいよ抜けられないから…。もしやこれは顔とスタイルが一般から外れて共感を得にくいKAT-TUNの作戦!?